江別市立病院 - 市民の健康の増進と福祉の向上のため、地域の中核病院としてまちづくりに貢献します。

昨年度の取り組み

 江別市立病院では平成20年2月に策定した「江別市立病院経営健全化計画」に基づき、経営の建て直しを図っています。ここでは、計画やその行動プランに基づいた昨年度の取り組みを中心に、公立病院として、市民の健康を守る病院としてどんな取り組みをしているか、その一端をご紹介します。市立病院でどんな取り組みがされているかを知っていただくことで、市立病院をより身近に感じていただければと思います。

産婦人科病棟の再開と各診療体制の充実
わたしは、江別で産む。
 昨年度の市立病院にとって最も明るいニュースの一つは、昨年4月に約2年半ぶりとなる赤ちゃんが誕生したことでしょう。第1号の出産には市長からの記念品の贈呈があり、多くの報道陣も詰め寄せました。翌年2月には100件目のお産を迎えることができました。産婦人科病棟の再開は多くの市民が待ち望んでいたことでもあり、「江別で産みたい」という気持ちに応えられることにスタッフ一同喜びと決意を新たにしています。
 また、昨年度は産婦人科医師の増員ばかりではなく、外科の増員も図ることができました。これにより特に消化器系や乳がんの疾患に対しこれまで以上に安心して受診できる体制が整いました。今年度には新たに循環器科の常勤医が3名着任することになり循環器科の入院受け入れが再開します。全国的に広がる医師不足の中での診療体制の充実は大きな希望となります。
研修医体制の充実
 市立病院の基幹診療科である総合内科は平成20年に誕生しました。昨年度は、若い医師が総合内科医を目指せるよう充実した研修体制を模索した年でもありました。初期研修や後期研修において極め細やかなプログラムを組み、国内外から大リーガー指導医、Jリーガー指導医を招き教育カンファレンスや講演会を開催しました。地域の市民病院にとって、幅広く奥の深い診療を提供するには総合内科の充実が不可欠だと考えています。多くの若い医師が江別市立病院で学ぶ場を提供するという挑戦はまだまだ続きます。
医療スタッフの確保
研修医体制の充実
 昨年度は年間を通じて医師10名、助産師10名、看護師25名、放射線技師1名、事務職員1名の新規採用者を迎えることができました。うち新卒者は13名です。退職や異動もあった上での採用ですのでそのまま純増というわけにはいきませんが、医師や看護師を中心に医療スタッフの不足が広がる中での増員は病院を支える大きな力となります。特に元気に活動する新人を多数迎えることができたことは、病院全体の大きな活力となっています。
 入院患者7人に対し看護師1名を配置するという充実した体制を維持するためにも看護師の確保は重要課題です。昨年度も看護部長を筆頭にメディアや広告、学校訪問、知人への呼びかけなどあらゆる手段を用いて確保に向けて取り組んできました。同時に女性スタッフが多い病院ならではの働きやすい環境整備にも取り組みました。夜間も子供を預けられる24時間保育所の充実や育児をしながら働ける体制作りも整えつつあります。良質な医療を提供するためにも医療スタッフの充実は今後も継続していきます。
新型インフルエンザから医療安全管理まで
新型インフルエンザから医療安全管理まで
  昨年は新型インフルエンザが猛威を振るった年でもありました。市立病院でも感染拡大防止を意識した対応を求められました。新型インフルエンザ対策専門委員会が設けられ、発熱外来の設置からワクチンの供給までスタッフ間の協力の下、重篤な事例もなく終息を向かえることができました。全国規模の拡大に情報が錯綜し、いたらない対応も多数ありましたが、今後の感染対策に向けて大きな教訓を得たと思っています。
 病院では医療安全対策として、院内感染管理と医療安全管理の2つの柱で活動しています。院内感染管理のために、委員会や連絡会議、各種研修や啓蒙活動を行っており、例えばチームで分かれたスタッフが毎月行う院内巡視では、PDCAサイクルに基づいた改善活動を展開しています。また、医療安全では医療事故防止のために、インシデントレポートの分析・対策指導や同じく研修、啓蒙活動、定期的な院内巡視を行っています。
 2月に医療機能評価受審記念行事の一環として開かれた医療安全活動報告会は、各部門から安全管理のための事例と改善について報告しあい、熱のこもった報告会となりました。リスクマネジメント部会の部会長である信太医師が述べた、「医療業務は単独部署で終わることはなく、医療安全を語る上で他職種の仕事を理解し連携を図ることが大切」という言葉は今の医療の現場を如実に物語っており、これからもこれらの活動を継続していくことが重要だと考えています。
BLS講習会
 昨年、市内の小学校でプール授業中に女子生徒がおぼれ、先生がAEDを使用し救命したというニュースは記憶に新しいと思います。心肺停止など一刻を争うときは知識と実際の訓練体験がものを言います。市立病院では昨年AEDが設置されたのを機に、「看護職だけではなく全職員がマスターしよう!」を合言葉にBLS(一時救命処置)講習会を毎月実施しています。事務職員も含めた全職員が実践できることで、院内の救命率が上昇し、市民への安心、安全、信頼される医療の提供へつながると始められたこの講習の受講率は65%になりました。
看護部の活動
看護部の活動
  病院の中で最も多くのスタッフを抱える看護部は病院の要です。一昨年に副看護部長4名体制とし看護部組織の強化を図ったのに引き続き、昨年には看護職の副院長を据え、患者さんに一番近い看護職員の目線が経営に反映されるような組織作りとしました。研修面では7対1看護に必要な看護必要度の研修とブランクのある中途採用者を意識した研修内容を強化し、全スタッフが行き届いた看護をできる人材育成に力を注ぎました。また看護部が例年取り組んでいるTQM活動の報告発表会では、笑いも起きる熱気の中で、医療安全やコスト削減など11チームがその成果を発表しました。この取り組みは看護部の教育研修の一環としながらも、「他職種を巻き込んで、堅苦しくならず、楽しみながら」をモットーに様々な工夫を凝らして行う業務改善で、今では病院の医療の質を向上させる大きな原動力となっています。
収支の改善を目指して
市立病院は平成19年以降、収支が悪化し経営的にも厳しい状況が続いています。経営状態を立て直すことは病院にとっても市にとっても急務の課題です。 昨年度、収支改善策として診療体制充実による入院患者受け入れの拡大、人工透析患者の受け入れ拡大、各種検査の推進、精神デイケア・作業療法の推進、在宅指導・薬剤管理指導の推進、時間外勤務の縮減、蛍光灯箇所の見直しによる節電、診療報酬上の改善、未集金の収納対策の強化などの対策に取り組みました。
さらなる連携の可能性を模索して
さらなる連携の可能性を模索して
  教育関連では毎年5月に「看護の日」にちなんで市内の高校生による看護体験を実施し、また昨年初の試みとして旭川医科大学、岩見沢東高校と協力し高校・大学・病院連携と称して医療職を目指す高校生の体験実習を実施しました。それぞれ貴重な体験をしたようで、現場の大変さを感じつつ将来の夢への前向きな言葉を聞くことができました。
 地域の中核総合病院としてあるためには地域の他の病院やクリニックとの連携、協力がとても大切です。市立病院では「地域連携だより」の定期発行や診療所訪問活動を通じて連携を強化するとともに、江別医師会と共同で「病病・病診連携講演会」を年1回開催しています。当院医師を含む地域の医師が研究事例の発表や症例検討の報告などを行いました。また、隣接する医療圏との連携についても模索を始めました。昨年度は2回、南空知地域との公的医療機関による連携について協議の場が持たれ、将来的な連携についての構想が話し合われました。
 在宅医療訪問サービスの充実も検討課題のひとつです。昨年から訪問看護室のステーション化の準備を進めてきて、今年度4月から開設する運びになりました。江別市立病院訪問看護ステーション「いたわり」です。これにより市立病院以外の医療機関を通じても利用できることになり、空白だった江別地区の訪問看護を充実させることができます。
地域に開かれた病院であるために
ロビーコンサート開院記念行事
  市立病院では地域や市民に開かれた病院であるために、昨年もさまざまな取り組みを行いました。広報誌やホームページ上での情報発信、公共施設その他イベント会場などでの広報活動、誰でも参加できる毎月開催の健康セミナーと糖尿病教室は、昨年は公民館など院外でも行いました。年4回行われた病院ボランティアコスモス主催によるロビーコンサートやバザーの催し、6月の開院記念日には健康相談や栄養相談などに多くの市民が来ていただきました。笑いは健康の素ということで、桂枝光師匠のご好意により2回の院内寄席も開催されました。縁があって一昨年から市立病院で出前寄席をしていただいている桂師匠は、ボランティアで道内医療機関を回られている上方落語の実力者です。入院患者さんたちを初めとして病院全体に活力をいただきました。他にも市立病院は様々な人の好意によって支えられています。病院内で精力的に活動していただいているボランティアさんたちの頑張りには勇気付けられますし、昨年4月には陶芸家の北川智浩さんより車いすを寄贈いただきました。
 院内に多数設置してある投書箱には毎日様々なご意見や感想が寄せられています。病院ではそれらすべて院長を含む管理職が拝見し、個人的なもの以外は回答をつけて、院内の1階エントランスロビーの階段下に掲示しています。
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