認知症疾患医療センター
認知症疾患医療センターとは
当院は、北海道の指定を受け、令和4年4月から認知症疾患医療センターを開設いたしました。認知機能障害をもつ方とご家族が、住み慣れた地域で安心して生活できるよう、適切な医療・介護・生活支援等のサポートを受けることができる体制を整えていきます。 IMG_7580 - 2025ninchisyoshikkaniryou_2.jpg
センター長からの挨拶

わが国は、諸外国に先駆けて超高齢社会を迎えており、『人生100年時代』が現実となりつつあります。高齢化の進行により加齢に伴う心身の衰えから様々な疾患や障害を抱えることとなりますが、加齢に伴う脳の衰えである認知症もその一つです。現在、認知症を抱える患者様の数は増加の一途にあり、これはご本人及び家族や地域社会に大きな負担を強いており、この傾向は今後一層強まるものと思われます。

当院では、地域における認知症医療の充実を図ることを目指して、令和4年4月に認知症疾患医療センターを立ち上げました。具体的な活動としては、もの忘れ外来の充実、看護専門外来での患者様及びご家族からの相談対応、当院の入院患者様の認知症ケア、地域の認知症事業との連携・協働などとなっております。

このような活動を通して、認知症を抱える患者様とご家族の皆様が安心して地域で暮らせるよう少しでもお手伝いができればと願っている次第です。今後、当センターの取り組みにご理解・ご協力を賜りますよう、何卒、よろしくお願い申し上げます。

センター長 松山 清治

活動内容・役割

認知症疾患医療センターの主な業務内容は下記の通りです。

1.もの忘れ外来

もの忘れ外来では、認知症の鑑別診断や薬剤の選択・調整を行います。薬剤調整が終了しましたら、かかりつけ医に情報提供を行い、治療を継続していただきます。

  • もの忘れ外来は、毎週金曜日(平日)に診療しています。
  • 受付時間:8:00~11:00、予約なしで受診ができます。※受診する患者様が多い場合、待ち時間が長くなるため、受付を早めに締め切ることがあります。ご了承ください。
  • 初診または再診窓口にて、診療科を「もの忘れ外来」で受け付けしてください。
  • おおよその費用:後期高齢者(1割負担)2万円程度、国保・健保(3割負担)6万円程度
  • お薬手帳のある方はご持参をお願いいたします。

<紹介状のご持参をお願いします>

かかりつけ医のある方は、紹介状(診療情報提供書)のご持参をお願いします。

※下記をクリックするとExcelファイルが開きます。そのページをダウンロードし、紹介状(診療情報提供書)としてご活用ください。下記の様式でなくても構いません。

なお、検査枠に限りがあるため、患者様が多い場合は検査日程が遅くなることがあります。

お急ぎの場合や外来通院が難しい場合は、精神科病棟へ1週間程度(月曜日から金曜日または火曜日から金曜日など)入院していただき、検査を早めに受けることができます。この場合、検査結果の説明や薬剤選択は、検査終了後から1週間程度で行います。

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2.運転免許更新のための認知症診断

令和4年5月の道路交通法改正により、都道府県公安委員会が認知症のおそれのある人に、診断書の提出命令を行えるようになりました。これに伴い、当センターでも運転免許更新のための認知症診断を実施しています。

  • 毎週金曜日(平日)に実施しています。
  • 受付時間:8:00~11:00 ※受診する患者様が多い場合、待ち時間が長くなるため、受付を早めに締め切ることがあります。ご了承ください。
  • 初診または再診窓口にて、診療科を「もの忘れ外来」で受け付けしてください。
  • おおよその費用:1割負担の場合で1万円程度
  • もの忘れ外来で行う検査とは異なります。
  • 当該受診にあたり来院される場合は、車の運転はお控えください。
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3.アルツハイマー型認知症の新しい治療薬のフォローアップ

令和7年4月から札幌医科大学附属病院と提携し、アルツハイマー病・抗アミロイドβ抗体薬のフォローアップ機関(継続投与実施施設)となりました。当院では、札幌医科大学附属病院において初回投与から6か月目までの投与を受けた方を対象としてフォローアップ(継続投与)を行います。

4.認知症看護相談外来での患者・家族からの相談対応

専門的な知識・技術をもつ看護師が、認知機能障害をもつ方やご家族・介護者等から生活の中での困りごとを伺い、必要とされる情報を提供したり、快適に生活ができるための助言を行います。支援を行います。

  • 認知症看護相談外来は、毎週水曜日に実施しています。
  • 実施時間は、①10:00~11:00、②11:00~12:00です。
  • 予約制のため、患者支援センターへ来院または電話(011-382-5151)での予約をお願いいたします。
  • 費用はかかりません。
5.もの忘れが気になる方や認知症の方への精神科作業療法

作業療法とは、医師の指示の下に行われるリハビリテーションの1つです。
認知症は、趣味活動や社会参加を継続することで、その進行を遅らせる可能性があるといわれています。

精神科作業療法では、このような活動を通して患者様へのリハビリテーションだけでなく、主治医や看護師と連携し、患者様とご家族が安心して地域生活ができるよう支援します。

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認知症の方の作品

  • 精神科作業療法は、月曜日・木曜日に実施しています。
  • 実施時間は、13:00~15:00です。(その他の曜日・時間についてはご相談ください)
  • 精神科作業療法は、当院の医師の指示により行いますので、主治医などにご相談ください。
  • 送迎等は行っていないため、家族の方の送迎などのご協力をお願いしています。

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担当の精神科作業療法士が、患者様お一人お一人の状態にあわせて支援します

6.精神科リエゾン・認知症ケア合同チームによる院内ラウンド

当院に認知症の方が入院した場合は、精神科リエゾン・認知症ケア合同チームによる院内ラウンドを行い、安心して入院生活が送れるよう、病棟看護師と共にケアを行っていきます。

7.北海道・江別市の認知症事業への協力

認知症の方を地域で支えるため、近隣の認知症疾患医療センターである江別すずらん病院などの医療機関に加え、地域包括支援センター、市役所、訪問看護ステーション、ケアマネージャーなど多職種の方たちと連携していきます。事例検討会や研修会などを定期的に開催し、「地域と顔の見える関係」の構築を目指して活動いたします。

8.情報発信

認知症に関するさまざまな情報を発信することに努めていきます。また、当院では一般市民や認知症の方を対象とした認知症関連セミナーなどを企画していきます。

スタッフ紹介

センター長/精神科医師:松山 清治

もの忘れ外来診療医師:柏木 智則

室長/副看護部長/老人看護専門看護師:山下 いずみ

主幹:岩塚 久恵

副看護師長/認知症看護認定看護師:熊倉 季穂

精神科作業療法士:宮嶋 涼

    研修会等の活動報告
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    令和5年9月

    江別すずらん病院との共催企画で、江別・石狩地域認知症連携協議会研修「認知症の人が安心して過ごせる地域づくり」を開催しました(オンラインと当院講義室でのハイブリッド開催)。医師、看護師、保健師、臨床検査技師、臨床心理士、作業療法士、介護支援専門員、事務職など計79名が参加しました。

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    令和6年2月

    江別すずらん病院との共催企画で、第14回江別・石狩地域認知症連携協議会を開催しました。
    コロナ禍で書面開催が続いており、5年ぶりの対面開催となりました。江別市・石狩市・当別町の地域包括支援センター、認知症支援推進員、保健所、市役所などの職員が参加し、江別すずらん病院と江別市立病院の認知症疾患医療センターの実績を共有しました。

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    令和6年12月

    江別すずらん病院と共催で、江別・石狩地域認知症連携協議会を開催しました。
    この協議会は、江別・石狩地域の認知症に関わる医療・福祉機関が一堂に会し、「認知症の方とそのご家族が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、情報を共有し、連携を深めること」を目的に、年に1回開催しています。
    今回は、江別すずらん病院および江別市立病院の認知症疾患医療センターの実績報告に加え、認知症の新たな治療薬や江別市内における具体的な認知症支援について報告し、意見交換を行いました。


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    令和7年6月

    「江別認知症地域連携講演会」を開催しました(当院講義室とオンラインでのハイブリッド開催)。センター長の松山医師ともの忘れ外来診療医師の柏木医師が、「認知症の治療」「地域連携」についての講演会を行いました。現地41名、オンライン55名、計96名の医療・介護・福祉従事者が参加しました。


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    令和7年6月

    江別市立病院 開院記念日事業において、市民の皆様を対象とした「健康セミナー」「相談コーナー」を実施しました。

    認知症の専門知識をもつ看護師から「健康寿命を延ばそう!」「認知症予防」のセミナーを行い、セミナー後は、市民の皆様から認知症に関する相談を伺ったり、認知症の簡単テストを行いました。