看護部概要

病院へ来られる患者さま・ご家族は、不安や苦しみ、悲しみ、そして今よりも健康な状態になることへ期待や安心を求めてなど、様々な思いを胸に来院されます。病院の理念でもある「いたわりの心」は、「心を和らげ楽にする」や、「苦しみや悲しみを軽減させ、相手の心を穏やかにする」という意味です。「人に寄り添い、相手の気持ちを思って親切に接する、気を配って大切に世話をする」という「労る（いたわる）」の類語になります。患者さま・ご家族の一番身近にいる私たち看護職員一人ひとりが、いたわりの気持ちをもって心に寄り添い、苦しみや悲しみを和らげ、患者さま・ご家族を大切に思いやった看護の提供を目指します。

人は、生きていく様々な節目で自分が大切にする価値観や自分の生き方について考えます。私たちは、そんな患者さま・ご家族とパートナーシップの関係を築きながら患者さまの持てる力を引き出し、患者さま自身が主体的に自分の人生（アドバンスケアプランニング）について考えられるように取り組みます。そして、望む医療・看護ケアを受け、その人らしく生き抜くことができるように支援して行きます。当院には、多くのジェネラリスト、スペシャリストがいます。同じく、患者さま・ご家族を支える多くの職種がいます。多職種が連携した医療チームが協働し、患者さま・ご家族を中心に、外来・入院などそれぞれの時期に安心して、その人らしく療養生活が送れるように地域の関係者とともに支援していきます。

充実した教育プログラムで人材育成とキャリア開発に力を入れています。看護部のキャリア開発ラダーは"患者さまとご家族から信頼され、質の高い看護を主体的に実践できる看護師の育成"を目的として、「看護実践能力（クリニカルラダー）」と専門職業人として組織に求められる役割を発揮することを目的とした「組織的役割遂行能力」の２本の柱を基盤にした教育プログラムで構成されています。また、より高い専門性を目指したキャリア支援（認定看護師養成等）や院内認定看護師制度、看護のスキルアップを図るための多彩なプログラム、院外研修、各種学会への参加・研究発表など積極的に取り組みます。

看護部職員のワークライフバランスを大切にし、また仕事にやりがいを感じながら長く働き続けるための職場環境整備に取り組んでいます。個々の健康保持増進への支援として「時間外勤務短縮」「夜勤・交代制勤務の負軽減」「応援体制の強化」についての業務改善や子育て支援、ライフステージに合わせ育児や介護、仕事を両立でき看護職員が長く働き続けられる環境を整えることを病院全体で推し進めています。そして、職員同士がお互いに理念に沿った優れたケアや頑張り、同僚から支援を受けたことに対して、承認・感謝し合える組織を目指します。

以上のことを実践し、患者さまとご家族、多くのステークホルダーに信頼され選ばれる病院である事はもちろんのこと、職員にも選ばれる病院でありたいと思います。人と人との関りを尊重し、つながりを大切にするより良い看護ケアの提供、それを可能にする職場環境をみんなで作って行きます。そして、求められるニーズを敏感にキャッチし、柔軟に且つスピード感を持って、より良く変化する組織を目指します。

看護部長　奥井　一恵